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隠岐島での体験が教えてくれたもの

2025.01.31

【学生インタビュー】家政学部児童学科4年 鏑木彩佑さん/人間社会学部教育学科4年 岩田綾奈さん

2024年9月2日?7日にかけて、初めての試みである五女子大学コンソーシアム合同国内スタディツアーが行われました。五女子大学コンソーシアムの加盟大学である日本女子大学、お茶の水女子大学、津田塾大学、東京女子大学、奈良女子大学のうち4大学から各2名、計8名が参加しました。本ツアーは、現地での体験によって理解を深めること、学生同士のネットワーク形成機会の提供を目的に、海士町およびJICA(独立行政法人国際協力機構)の支援のもとに実施されました。
本学から参加した、家政学部児童学科4年 鏑木彩佑(かぶらぎ あゆ)さん/人間社会学部教育学科4年 岩田綾奈(いわた あやな)さんに、隠岐島(おきのしま)?海士町(あまちょう)でのスタディツアーの体験についてうかがいました。

隠岐島(おきのしま)……

島根半島の北方、40?80キロの日本海に浮かぶ隠岐は、住民の住む4つの大きな島と、他の約180の小島からなる諸島。海洋生物や漁業などの人の営みも含め、隠岐を取り巻く環境そのものが、「隠岐ユネスコ世界ジオパーク」として認定されている。

今回のスタディツアーで訪れたのは、島前に位置する中ノ島(海士町:あまちょう)と西之島。

 —— スタディツアーの応募動機と興味を持ったポイントを教えていただけますか。
 
鏑木さん:私は海士町に島留学に行っている友達がいたので、隠岐島のことは知ってはいました。応募前に読んだ海士町のnoteに書いてあった「チャレンジせずに終わることはやめてくれ」という言葉が響き、応募を決めました。
海士町のキャッチコピーは「ないものはない」と知りました。
この言葉には、
「ないもの」は、なくていい。
大事なものごとは、すべてここにある。
という2つの意味が込められているそうです。
 
実際に現地で聞いたお話では、キャッチコピーの解釈として、「便利なものはなくていい、あるものでいい」「人が生きていくために大切なものは、(生きがいも含めて)全てここにある」「なければ、あるものでつくればいい」といった意味が含まれているということでした。
 
また、私は児童学科なので、ツアープログラムの中に保育園での研修があり、島の園児と触れ合えることも楽しみにしていました。
 
岩田さん:私は逆に隠岐島のことはこの応募で初めて知り、知らないからこそ行ってみたいと思いました。ただ地方の島ということではなく、「ないものはない」のキャッチコピーのように『自分たちの島はこうありたいんだ』という指針を持っている島であることに関心を持ちました。
その土地で生きる人々が幸せだと感じる環境や暮らしを自分の目で見たいというのが私の応募動機でした。私は大学2年の時に、外国籍の子供達の学習支援のボランティア活動に参加したことがありました。その時にアフリカの男児が「日本では不自由なく暮らせるけど、母国の暮らしが恋しい」と話していたことが印象的で、その土地土地の暮らしと人が感じる幸せについて考えさせられたのが原体験となっています。
 
 
—— 実際に隠岐島に行ってみていかがでしたか?
 
岩田さん:私は初めて経験したリストをメモしていました!
まず、初対面の参加学生8名と宿舎で共同生活したことです。他には、満点の星空を道路に寝転がって仲間と一緒に眺めたこと、生き物が豊富でカエルやバッタがどこにでもいること、町の方とすれ違うたびに挨拶を交わしたことなどです。この挨拶については全員が驚いたポイントで、人とのつながりが実感できる体験でした。
 
鏑木さん:町の人があたたかいですね。1回会って顔見知りになって、2回目でいちじくをいただいたこともありました。別のときには、私が草むしり中に蚊に刺されて目が腫れた時、ご近所の方が家に保冷剤を取りに帰って持ってきてくださったこともありました。また別の時には、宿舎に牡蠣やあわび、サザエを差し入れてくださったことも嬉しかったです。
 
 
—— 研修ではどのようなことをされましたか?また印象的だった研修の感想も教えてください。
 
鏑木さん:応募動機でも話しましたが、保育園研修は良い体験になりました。印象に残っていることは、子どもたちが自分の思いや考えを伝えてくれたことです。「もうすぐおやつの時間になるよ」「これは、こんな風に遊ぶの。一緒にやろう!」と子どもたちが自発的に教えてくれました。私たちからの一方的な関わりではなく、子どもたちからも私たちと関わろうとしてくれたことがとても嬉しく、印象的に残っています。
 
また、地元の方のお話を聞く機会が多くありました。
隠岐島への移住者であり、株式会社「風と土と」代表取締役の阿部さんとの意見交流会では、移住者目線での海士町や、大学生時代のお話などをうかがううちに、人生相談のような時間になり、とても貴重な時間でした。
役場の方との会談では島の説明を受けたり、日須賀地区の方からは海洋プラスティックゴミの話を聞き、実際ゴミ拾いにも行きました。海流によってどうしてもゴミがたまってしまう場所があるそうなのですが、そこのゴミを拾っても根本的に解決はしないと分かっていても、回収する必要があるとお話されていました。地球規模で考えていく必要がありますよね。
 
私が特に印象的だったのは、「風と土と」代表の阿部さんのお話に出てきた「環境によって人は変わる」という言葉です。余裕の無い環境だと、心も狭くなるし視野も狭くなります。自分にとって合わないかなと思う人でも、違う環境だったら違う面が見えるはずだと気付かされました。今後生きていく上で、「この人はこういう人だ」という決めつけはしないようにしたいと思いました。
 
岩田さん:スタディツアーでは、海士町が行っているJICAグローカルプログラムに関する話を役場の方から実際に聞いたり、海洋プラスティックの清掃ボランティアをしたりと都内ではすることができない経験続きの日々でした。中でも特に印象的だった研修は9月5日の一日の振り返りを行う際に訪問した「隠岐学習センター」の館内の様子でした。「隠岐学習センター」は島根県隠岐郡海士町にある公立の学習塾です。島内唯一の隠岐島前高校と連携して、離島?過疎地域における教育格差の解消や子どもたちの自己実現を支援しています。館内にある掲示物がとても印象的で、①日替わりメッセージボード②いつかやってみたい会議という二つの掲示物を特に鮮明に覚えています。①日替わりメッセージボードは毎日異なるメッセージが書かれており、どれも誰かの心の支えになるような内容でとても心が温かくなりました。訪問した9月5日は「自分の得た喜びを灯りにして進んでいけば道に迷うことはない。きみの人生唯一の道しるべだから」という言葉が記されていました。また、②いつかやってみたい会議では「夢おじさんが「やりたい!」をサポートしてくれる」という言葉のもと島の子どもたちが赤裸々に自分の夢を文章化している取り組みがとても参考になりました。
左:西ノ島みた保育園で活動している様子(岩田さん) 右:村上家資料館(株)風と土と講義風景
左:西ノ島みた保育園で活動している様子(岩田さん) 右:村上家資料館(株)風と土と講義風景
左:日須賀で現地の方からお話を聞いている様子 右:役場幹部の方と話している様子
左:日須賀で現地の方からお話を聞いている様子 右:役場幹部の方と話している様子
 —— 研修中に苦労したことはありましたか?
 
鏑木さん:宿舎のお風呂は大変でしたね(笑) ブレーカーが落ちてしまい、お風呂に入っている人と外の人で連携して電気を復旧させたり??? なんていうこともありました。
 
自分のことについては、私は思っていることを相手に伝えることが苦手でした。この研修をきっかけにその殻を破ろうと、行く前から積極的に話すと決めていました。参加学生全員に質問することも決めていて、事前の打ち合わせで各自の目標を発表する際にもそのことを発表していました。実際の研修で全ての質問ができたわけではありませんでしたが、伝えることの苦手さは少なからず克服できたと感じています。
 
 岩田さん:町役場の方々と対話することや空港で初めて出会った仲間と共同生活をすることに最初は苦労する場面がありました。ただ、本当にあたたかく迎え入れてくださる町の方々の姿と前向きに研修や共同生活に向き合う仲間に恵まれたおかげでその悩みはあっという間に払拭されました。


 
—— 研修を終えての感想と今後への生かし方を教えてください。
 
鏑木さん:研修を通して、心があたたかい方は素敵だなと思いました。広くてあたたかい心を忘れないようにしたいです。受け入れてくださった海士町の方のあたたかさを忘れたくないです。
今後生きていく上で、ぶれないものを持っていきたいです。
 
岩田さん:信念を持ち、夢や課題に対して突き進むことの大切さを学ぶことができた6日間でした。また、一人ではなく誰かと肩を並べ、何かを作り上げることのできるような人になれるよう日々を過ごしていきたいと感じています。
最終日、帰りのフェリーの様子
最終日、帰りのフェリーの様子
—— 学生生活の話をうかがいます。日本女子大学を選んだ理由や学科を選んだ理由を教えてください。

 

鏑木さん:私はもともと児童学に興味を持っていました。また保育士の資格が取得できる4年制大学を選ぼうとするとある程度絞られました。 そこで大学案内のパンフレットを見たり、高校の先生の後押しがあったことで、日本女子大学の児童学科に決めました。

 

岩田さん:社会の事象を特定の分野に限定せず、他連関の中で物事を考える思考を養うため、日本女子大学教育学科への入学を希望していました。また、自分の関心のある分野に必要な学問を自由に選べる環境が整った中で、4年間しっかり学びたいと考えていました。日本女子大学はf-campusという制度があり、早稲田大学など4つの他大学の授業科目も履修でき、実際立教大学の国際社会学は大変有意義な授業でした。また小学校免許取得という入学時の目標に対して、1年次から学校インターンシップという科目を通じて現場で経験を詰める点も入学を決める決め手の一つとなりました。



 

—— 高校生におすすめしたい日本女子大学の魅力とはなんでしょうか?

 

鏑木さん:今回のスタディツアーもそうですが、色々な海外研修の機会も提供されていて、在学中に短い期間で充実した経験ができることが魅力です。私は以前、孤児院や小学校に行くカンボジア研修にも参加しました。ぜひ、皆さんも参加してみてください。

 

岩田さん:私は在学中に、春の大学公認海外短期研修のひとつ、バンクーバーで学ぶ英語&JTBカナダオフィス体験研修、オークランド大学主催バーチャルインターンシップ、そして今回の海士町スタディツアーと多くの経験をさせていただきました。学問以外にも日本女子大学に在学しているからこその経験が詰める点が魅力です。

また私は高校まで共学であったため、女子大はギスギスしているのかなと入学前は漠然とした不安がありましたが、いざ入学してみるとそのようなものはなく本当に素敵な仲間がたくさんできる環境でした!ですので、必要以上に不安に思わず、今まで共学で過ごされてきた方も日本女子大学を検討してくださったら嬉しいです。お待ちしています!

 

—— 今日はありがとうございました。